現在、日本一のギター生産量を誇る松本市ですが、今から41年前の1983年秋、本書の元となった『グレコの仲間たち』が発刊されました。当時の松本周辺には数多くのギター関連メーカーがありました。そこで活躍した木工職人たちは、家具作りから新しい木工であるギター作りに転じた方も多かったようです。
今では世界的に有名なブランドのグレコギター、その産みの親ともいえる「富士弦楽器製造株式会社(現フジゲン)」の創業家の蔵から数年前に創業当時の1960年代の輸出資料が多々発見されたのです。41年前の初版版は、すでに創業家にも在庫が無く、この再編集版には史料的意味もあります。そしてブランド名の「グレコ」は創業者の横内祐一郎氏そのものを意味していると、編著者は語っています。
日本における業界の金字塔を打ち立てた著者の想いが、この先ずっと繋がっていくことを願ってやみません。